第74回日本東洋医学会学術総会「脊髄梗塞の下腿灼熱痛に対し、明堂経復元による穴位主治条文の検討」

第74回日本東洋医学会学術総会 参加報告

南雲治療院 白取 篤弥

この度、2024年6月1日〜6月2日、大阪国際会議場にて開催の第74回日本東洋医学会学術総会に参加して、発表してきました。

今回が人生で初めての学会発表で資料作りがとても不安でしたが、山岡傳一郎先生、院長をはじめ長野県と愛媛県の先生方など多くの方々にご協力をいただいたことにより、無事に発表終えることが出来ました。心より感謝申し上げます。

 今回の演題発表は、「脊髄梗塞の下腿灼熱痛に対し、明道経復元による穴位主治条文の検討」について発表しました。

 明堂経主治条文とは、漢代2000年前にツボの効果についてまとめた古典ですが、肺経10穴が残存する以外は行方がわからなくなってしまいました。

 それを復元する方法があり、「甲乙経」「外台秘要方」「医心方」の3つの古典を使って明道経の主治条文を完成させ、それを現代文に解読し臨床に活かしていくというのを2023年3月に愛媛県松山記念病院の山岡傳一郎先生に教えていただきました。

 症例報告では、脊髄梗塞という脊髄の血管が何らかの原因で詰まることで脊髄にダメージが及ぶ病気で、脳梗塞と比べて頻度が低いと言われています。急激な背中の痛み・脚の感覚が無くなる・歩行困難・脚が焼けるように痛むの4つが特徴的な症状です。

明道経復元する前は2、3日しか良くならなかったのが、 「明堂経」を復元し施術を行ったところ、約2週間脚の焼けるような痛みが和らいだことを発表しました。

  レーザーポインターが上手く使いこなせなかったりお辞儀した時にマイクに頭ぶつけるというアクシデントがある不甲斐ない発表とはなってしまいましたが、先生方からのあたたかい質疑応答から「このやり方だったら、もっと効果がでるのではないか。」という貴重なご意見を頂き、それを臨床の場へと活かし、今後も鍼灸師としての技術向上のため、より一層の勉学に励み、頑張っていきたいと思います。

愛媛県松山記念病院 山岡傳一郎先生(左)と著者(右
  左から玉田萌菜・白取篤弥(著者)・常丸裕加
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