world scientific and cultural Dialogue on Acupuncture(WSCDA)/WFAS world acupunbure congress
鍼灸に関する世界の科学と文化の対話
2018 世界鍼灸大会(パリ)
2018年11月16・17日にフランス・パリにて開催された世界鍼灸連合学術大会(WFAS)に出席した。前日の15日に世界鍼灸の日の記念式典がパリのユネスコ本部で開催された。
世界鍼灸学会は南雲治療院としては7回目の参加だが、過去とは違い初めてのビデオポスターの発表だった。当初は口演かポスター発表の予定で準備していたが、学会事務局からの要請により、ビデオポスターでの発表となった。発表のテーマは、当治療院でも多くの症例数をあげている「不眠にたいする失眠への灸の効果」だった。発表にあたり、当院患者様達より多くのデータを集めて検討した。私は国内での学会発表の経験はもとより、当然国外の学会参加も初めてであり全てが未知の中、今回の世界鍼灸大会に参加できたことが、いまだに夢のように思える。
ここで、パリ・学術大会の雰囲気・様子を報告する。
15日に行われたWAD(world acupuncture day)世界鍼灸の日の式典はエッフェル塔より徒歩で20分ほどにあるユネスコ本部で行われた。入口ではセキュリティーチェックのために金属探知機などの手荷物検査等があった。会場内はとても広く、ロビーには世界中医鍼灸健康芸術祭と書かれた巨大なスクリーンがあった。広い会場には鍼灸の歴史のパネル展示や、他にも興味深い展示物などがあり眺めている内に時間が過ぎていった。
16・17日に世界鍼灸学術大会が欧州最大級の科学博物館である、シテ科学産業博物館にて開催された。館内はとてもひろく、図書館やフードコート、プラネタリウムや潜水艦の実物大模型などもあり、学会参加者以外の一般の方も多く来場していた。また、当施設はラ・ヴィレット公園の敷地内にあり、運河や自然などもありとても落ち着く空間だった。学会には43の国と地域から薬1000名が参加した。
今回の学会は初めてのビデオ発表であり、その時の苦労を少し報告する。当初はポスター発表のみの予定で準備していたが、パリ学会事務局から、ビデオ発表のための動画をおくって欲しいとの連絡が発表の1週間程度前に突然入った。急遽、院長のテレビにパソコンをつなぎ、パワーポイントを映しこんだ口演の動画を当院のスタッフの携帯で撮影。それをUSBに保存してパリ学会会場に持ち込んだ。ところが、当日会場で担当スタッフにそのUSBを預けたところトラブルが発生した。アップロードする際にUSBのデータがきえたのである。これには私も院長も頭が真っ白になった。あれやこれやと消失したデータをさがし、咽頭のタブレットのなかにあるバックアップデータをなんとかみつけることが出来た。何かの事故があった時のためにと保存していたことを忘れていたのであった。そして不測の事態を乗り越えてビデオポスターをYouTubeにアップすることができた。ビデオはYouTubeで全世界で見ることが出来るが、、それを考えると実に下手な英語での発表のため、恥ずかしい気持ちである。とは言え、何とか無事に終えることが出来たことにホッとしている。なおYouTubeは(WADOPARIS)で検索できる。
学会の夜は世界各国の医師や鍼灸師たちがランダムにテーブルを囲んでのガラディナーでフランスの美しいワインや料理、そして音楽やダンスを楽しんだ。
最後に、今回初めて国際学会に参加した私ですが、無事に発表出来たことは今後鍼灸師としてやっていく上で大きな地震となりました。ご協力いただいた患者様はもちろんのこと、南雲院長及びスタッフ達の応援があったからこそと思います。あらためて心より感謝申し上げます。
今回このような大きな学会に参加して得たことを臨床の場へと繋げていき、今後も鍼灸師としての技術向上のためより一層の勉学に励み、1人でも多くの患者様のご健康の役に立てるよう努力してまいります。
執筆者近野祐輔
学会出席・症例発表の報告
この度は、学会出席のためお休みをいただき、多くの患者様へご迷惑をお掛け致しましたこと、お詫び申し上げます。
今回、2018年11月16日・17日にフランス・パリにて開催された世界鍼灸学会学術大会(WFAS)2018に出席致しました。
発表のテーマは、当治療院でも多くの症例数を挙げている「不眠に対する失眠への灸の効果」でした。
お陰様で好評にて発表を終えることが出来ました。
今回、症例報告にご協力いただきました患者様方へ感謝申し上げます。
2018年WFAS参加報告 (フランス)
本原稿(一部改変)は、日本伝統鍼灸学会誌.第45巻第3号.2019年:42-47、に掲載されたものである。